1.
西宮の伯母さん、うち、もうここにはおられへんのや。
清太
2.
なんでホタルすぐ死んでしまうん?
節子
3.
清太、お前がいてくれたら……。
節子
4.
昭和二十年九月二十日、僕は死んだ。
清太
5.
贅沢は言えへんのや、お国のためやもん。
西宮の伯母さん
6.
兄ちゃん、これおはじきやないで、ドロップやで。
節子
7.
お父ちゃんは連合艦隊と一緒や、負けるはずないんや!
清太
8.
兵隊にとられて何が悪い、お国のためやないか。
西宮の伯母さん
9.
お兄ちゃん、お腹空いた……。
節子
10.
うち、おうちへ帰りたい……。
節子
11.
しっかりせんとあかん、僕が節子守るんやから。
清太
12.
人の世話になっておきながら、文句ばかり言うもんやありません。
西宮の伯母さん
13.
あんなん食べたらお腹痛くなるで、ほら、こっちの甘いの食べよ。
清太
14.
お兄ちゃん、これサクマ式ドロップやで、ほら、美味しいよ。
節子
15.
お母ちゃんも、あんな焼野原に……。
清太
16.
何でみんな死んでしまうんやろ……。
清太
17.
お医者さんに見せたら、すぐ良くなるからね。
清太
18.
兄ちゃん、これスイカやろ? 食べよ、一緒に食べよ。
節子
19.
あの日から、僕たちの時間は止まったままや。
清太
20.
お国のため、お国のためって、そればかりやないか……。
清太
21.
うち、大きくなったらお嫁さんになるんや。
節子
22.
他人の飯を食うというのは、こういうことなんやな……。
清太
23.
お医者さん、節子を助けてください、何でもしますから!
清太
24.
お兄ちゃん、今までありがとうね。
節子
25.
僕たちは、あの夏の日のホタルと一緒に、ずっとあの防空壕の中にいるんや。
清太

